2012年12月29日 [日記]
ふくろうの杜では、北欧(デンマーク)生まれのトランスファーテクニックを実践しています。
トランスファーテクニックとは何でしょう。
利用者の活用できる力を支援活用し、介護者 利用者に優しい援助技術です。
今、日本で行われている介護援助の大半は、介護者が利用者を抱え 持ち上げることで行われています。
この援助方法では、援助される側 する側ともに苦痛 負担を伴います。特に援助側にとっては腰痛等の身体的損傷になり、離職原因につながります。それを防ぐための援助動作の方法です。この方法はデンマークのセラピストたちが生み出した実践的な方法であるため、机上で考えられた方法と違い即実践できるものです。
しかしそれには少しの手間と時間が必要となります。又慣れるまでの過程を、長年介護をしてきた職員、身体に自信のある若い職員にとって歯がゆく感じる時間を必要とします。しかし介護者の身体的負担による離職は利用者にとっても、介護者の減少に伴う施設利用困難の原因にもつながります。
具体的な方法は、ベッドから車イスへの移乗のさい介助器具道具を活用し、利用者の現在使える動作を活用し、持ち上げる動作を回転する動作に変換することです。 身体への負担は1/2に軽減するとの実証値が出ています。
この援助方法を活用することにより、利用者 介助者ともに笑顔で生活できる場にして行こうと、ふくろうの杜ではこの取り組みをしています。
こぶ次郎2号でした。
『手を抜くのは良くないが、楽をすることは悪くない。』
トランスファーの重要な原則①
絶対に持ち上げない。
身体に垂直方向の負担をかけて作業しない。
垂直な動きを水平な動きに変える。 「引く」「押す」「回転」させる。
少しずつ動かす。 それを繰り返せば、沢山動かせる。
前傾姿勢や身体をひねる姿勢は大きな負担になるため禁止。
動く時は、両足と鼻が同じ方向を向くように。
安定したスムーズな動き、体重移動。
持ち上げるしか方法が無い場合は、機器を使用する。
掛け声をかけての介助はスピーディではあるが、動作のゆっくりなお年寄りには優しい介助 ではない。
トランスファーの重要な原則②
利用者の積極的な参加
残存機能の活用
利用者自身が動く 機能レベル・ライフクオリティの保持と向上
利用者の積極的な参加 介護者の労働負担軽減
(できなくなったのではなく、使わないからできなくなる。良い介護者は過保護になら ない。)
トランスファーの重要な原則③
自然な動き
誰もが日常している動作(常に日常動作を観察し、利用する)
エネルギーを節約できる楽な動き
その日の体調、機能レベル、環境などによって自然な動きも変化
利用者にできるだけ自然な動きを促し、介護者も自然な動きで介助
加齢等で動きが鈍くなった人には、できるだけその人のテンポに合わせて介助
トランスファーの重要な原則④
摩擦
身体を動かす際には摩擦がかかる
ポジティブな(利用できる)摩擦とネガティブな(邪魔になる)摩擦
トランスファーの際はポジティブな摩擦をフル活用し、ネガティブな摩擦はできるだけ取り除く
(ポジティブな摩擦・・踏ん張る際に必要)
トランスファーの重要な原則⑤
てこの原理
トランスファーの際、てこの原理はポジティブにもネガティブにもはたらく
身体に悪いネガティブなてこの原理は、車椅子乗車時の座りなおしを介助する際 利用者後方より両脇に手を掛け介助する方法。
この際介護者の腰一点にかかる負担は、利用者が60㎏のさい介護者の上半身の重量も加わり600㎏の負担がかかることになる。
使用道具
声・手(握り方が重要 握手形でなく腕相撲形)
らくらくシート(滑りやすい布)・滑り止め(滑り止めシート)
手の延長となるもの(シーツ・タオル)
スライディングボード
各種リフト