2017年3月29日
2月のある日、入居者していらっしゃる91歳のおばあ様のご家族より相談を受けました。
「おじいさんとおばあさんが結婚して70周年になります。ふたり一緒にお祝いできないでしょうか」と。
おじい様は老人保健施設をご利用中ですが、足腰もしっかりしていて、ふくろうの杜にはお嫁さんの車で度々訪れてくださっています。そんなお二人を笑顔で迎えるおばあ様。
認知症を患っており、だんだん家族の名前も思い出せないようになってきていますが、おふたりが帰ってしまうとなぜかいつも悲しそうな表情になるのです。
ご夫婦の年齢は共に90歳を超え、もうこんなチャンスないかもしれない・・・そんなふたりの節目となる70周年(70周年なんて聞いたことがありません。何祝いというのでしょうか?)と聞いて、是非ふくろうの杜で!お住まいで!と提案しました。
実現したのはちょうど1か月後の3月上旬。当日、おじい様はジャケットを、おばあ様はストールや帽子をかぶっておしゃれをしました。色とりどりの花と大きなケーキと大勢のスタッフと他の入居者様に囲まれ、”披露宴”のような雰囲気となり、少し照れくさそうなお2人と、それを嬉しそうに見つめるお嫁さん。普段から言葉の少ないおばあ様ですが、おじい様の手をしっかりと取りあって微笑みあっている姿が何とも穏やかで、微笑ましく思われました。
家族に歴史あり。
ご夫婦の笑顔とお嫁さんの感謝の言葉に出席者のみんなが感無量の幸せを感じました。また、このような場面に立ち会えたことは介護冥利につきることでした。