2018年4月20日
日本人の心の聖地と云われ、宗旨宗派を超えて信仰を集めている高野山。その中心的存在である弘法大師御廟の前に建つ荘厳な建物が奥の院で、その軒下や地下には、全国からの寄進によるおびただしい数の万燈篭がつるされています。
今回、ここに万燈篭を寄進して、開設以来ふくろうの杜で亡くなられた160余名の方々の供養をすることになりました。そして、献燈式のために、星島光雅さん、片山惣二郎さん、赤坂総一郎さん、鈴木陸男さん、野村太一さん、西尾俊成さん、そして理事長と、法人の役員を務めていただいている方々7名でお山に登りました。
4月14日、人の気配が無くなった夕暮れ時、奥の院を訪れ弘法大師御廟の前で、蝋燭と線香を供え般若心教を唱えてお参りし、お山に来たことを報告しました。居合わせた欧州系の人達が、遠くから見守ってくれていたのが印象的でした。
宿坊常喜院を宿にとり、夕食は精進料理に舌鼓をうち小宴。春の嵐が吹き荒れ、横殴りの強い雨が硝子戸を叩く夜でした。
4月15日、朝6時から、照明は蝋燭のみの小寒い本堂で行われる朝勤行に参加。住職のほかに修行僧や高野山大学に通う学生らによる読経が、厳粛な雰囲気の中で和して合唱を成し、高い精神性を感化してもらう時間でした。同宿の日本人や欧米系白人らで30人ほどの参加があり、最後には住職から、日本語で、次には英語で講話がありました。
朝食ののち宿坊を出て大師教会へ出向し、9時からの授戒に参加。これは阿闍梨様から、仏が示す菩薩十善戒に関わる講話を頂く儀式で、最後に利他行の尊さをお話しされました。終了後には弘法大師の教えを受けた証として「菩薩戒牒」を頂戴して、お弟子になりました。
お弟子になった私たち一行は金剛峯寺へ移動し、今回の目的である10時からの献燈式に臨みました。大広間の奥には、経机とその上に寄進する万燈篭がおかれ、一同その前で正座し時を待ちました。高野山協会法会部長である佐伯公応僧正様がお出ましになり、一同で般若心教を唱えてのちに、僧正様が正面中央にお座りになりました。理事長が献燈の目録を上程し僧正様から請書を拝受し、それから感謝状を頂戴しました。公家のような風貌の僧正様が柔らかい関西なまりのお言葉で感謝の言葉を述べられ、理事長が献燈に至る経緯を交えて趣旨をお話しし、星島和尚様からのお話もあり、献燈式は滞りなく終了しました。一同で記念撮影をして大広間を退出、それから金剛峯寺を見学させていただきました。
全ての日程を終えて、予定された時間通りに岐路につきました。ご同行いただいた皆様、ありがとうございました。