2019年4月30日
「お誕生日を迎えられるかなぁ?」奥様のおっしゃった一言でした。
旦那様は入居して 7 年、今年の初めから体調を崩し、4 月のお誕生日を迎えられるかどうか
分からない状態でした。
「私とどっちが早く逝くかわからんに」と笑っておられる程、ご自身の体調も心配されてい
た奥様。足を悪くされ、外出もお一人では辛いと話されていました。
普段から笑顔が少なく、口数の少ない旦那様を"しゃべらないし笑いもしない"とおっしゃる
奥様。"昔は笑顔が素敵な人だった"と若いころを思い出しお話しして下さいました。
そんなご夫婦の支えになりたいと考えたスタッフは、旦那様のお誕生日を祝うことを目
標にしたいと申し出ました。実は、結婚記念日も近いと伺っていたので、奥様には内緒で金
婚式も同時に計画しました。
当日は、久しぶりに背広を着て顔つきがキリリとした旦那様と、そんな旦那様を見て照れ
ている奥様。その日のために駆けつけて下さった息子様と家族が揃い、会が始まりました。
いつも無口で目も合わせてくれない旦那様から、突然バラの花束をプレゼントされた奥様
は驚きと共に目からは涙が。
照れくさそうに「ありがとう」と受け取られる姿が印象的でした。
見事サプライズは成功し、改めて両親を見つめる息子さんからは、尊敬の眼差しと暖かな拍
手が。
家族には、それぞれの歴史と愛のカタチがあるのだと感じました。