朴葉寿司|特別養護老人ホーム「ふくろうの杜」 スタッフブログ

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朴葉寿司

2023年6月21日

朴葉寿司


 今年もまた朴葉の香りが良い季節になりました。

 

 6月9日の昼食は「朴葉寿司」でした。ふくろうの杜では毎年、500600枚の朴葉を採りに行き、朴葉寿司を作り昼食に振舞っています。錦糸卵、紅しょうが、ツナ、しいたけなど色鮮やかな具材が入り、おひとり2個ずつ配られます。やはり昔からの地元の味という事で、完食される方や夕食に取っておきたいと言われる方が多く、大変喜ばれる行事食の一つです。ただ「懐かしい味」「親しみのある味」というだけではなく、長く食べ続けているものはとても安心感があり、様々な思い出もあります。フロアには笑顔があふれ、温かい空間が広がりました。

 

 昔の事を思い出すことはとても大切なことで、それを伝える場があるのも重要です。食を通して懐かしい話を交流できるのはとても良い事ですね。心が温まります。

 

朴の木の葉で酢飯を包んだ初夏の風物詩的な料理である「朴葉寿司」は、箸がなくても手を汚さずに食べることができ、山仕事や農繁期の携帯食として発祥したとされています。朴の葉には、殺菌作用の他に防カビ効果もあるとされ、特に、葉に含まれる「ヒノキチオール」という酵素は、抗菌性が高く、酢飯の酢と相まって高温多湿での食品保存に重宝されてきました。

現代では、彩り豊かなものが多いですが、始めのころは、北陸から入ってくる塩鮭を酢で締め、締めた酢で酢飯を作り、鮭をのせただけのシンプルなものだったと伝えられています。

 

 昔から伝わる郷土料理の知恵・知識は私たちよりも入居者様の方が詳しく、教わることがたくさんあります。長く愛されている料理を食べるだけではなく、食材を通してその由来や旬の時期を知り、その心とともに受け継いで伝えていきたいと感じます。

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